砂ろ過塔による水処理

 こんにちは、このブログでは砂ろ過塔による水処理というテーマについてお話しします。砂ろ過塔とは、砂や石などのろ材を詰めた塔で、水中の浮遊物質を物理的に除去する装置のことです。水処理に使うと、色度や濁度、鉄やマンガンなどの不純物を取り除くことができます。どうしてかというと、以下の理由があります。

  • 砂ろ過塔は、水を加圧してろ材の間隙に通過させることで、ろ材の表面に付着した微生物や粘土などの微粒子が水中の浮遊物質を吸着・捕集することができます。これを深層ろ過と呼びます。
  • 砂ろ過塔は、ろ材の種類や粒径、層厚や流量などの条件によって、除去能力や処理量が変わります。一般的には、ろ材は上から粗いものから細かいものへと重ねて配置し、流量は低く設定することで、より高いろ過効果が得られます。
    • 除去できる浮遊物質の種類や量に限界があります。
    • ろ材が詰まったり崩れたりするとろ過効果が低下します。
    • 逆洗浄時に大量の水や空気を消費します。
    • 逆洗浄時に発生する洗浄排水を処理する必要があります。砂ろ過塔は、ろ材が汚れたら逆洗浄(バックウォッシュ)することで再生できます。逆洗浄とは、水や空気を逆方向に送り込んでろ材をかき混ぜることで、吸着・捕集された浮遊物質を洗い流すことです。逆洗浄後は通常通り水を通すことで再びろ過機能が回復します。

       

      砂ろ過塔は、低濃度の浮遊物質を含む水に適しています。例えば、井戸水や地下水、河川水や湖水などの原水を処理することができます。また、上水道や工業用水、プールや温泉などの水質改善にも使用できます。これらの水には、色度や濁度、鉄やマンガンなどの不純物が含まれており、ろ過処理によって除去することで、水の透明度や安全性を向上させることができます。

      砂ろ過塔のメリットは、以下のとおりです。

      • ろ材は安価で入手しやすく、再生も容易です。
      • 薬品や電力をほとんど使用しないので、運転コストが低くて済みます。
      • 構造が単純で操作も簡単です。
      • 処理後の水は再利用や放流が可能です。

      砂ろ過塔のデメリットは、以下のとおりです。

砂ろ過塔による水処理の応用例として、以下のような事例があります。

  • 井戸水のろ過処理:井戸水には、鉄やマンガンなどの金属イオンが含まれていることが多く、水道水として使用するには不適です。砂ろ過塔を用いてこれらの金属イオンを除去することで、水道水基準に適合した水を得ることができます。また、井戸水には有機物や微生物も含まれていることがあり、これらも砂ろ過塔で一定程度除去できます。
  • プールのろ過処理:プールの水は、人や環境から様々な汚染物質が混入します。これらの汚染物質は、色度や濁度、臭気や細菌などの問題を引き起こします。砂ろ過塔を用いてこれらの汚染物質を除去することで、プールの水質を保つことができます。また、砂ろ過塔は、塩素消毒や紫外線殺菌などの他の処理方法と併用することで、より効果的な水処理が可能です。
  • 温泉のろ過処理:温泉には、色や匂い、成分などに特徴があります。しかし、温泉にも浮遊物質が含まれており、これらが温泉の品質を低下させたり、設備の劣化を促進したりすることがあります。砂ろ過塔を用いてこれらの浮遊物質を除去することで、温泉の品質を保ちながら、設備の寿命を延ばすことができます。

以上が砂ろ過塔による水処理の応用例です。砂ろ過塔は、浮遊物質を除去するだけでなく、他の処理方法と組み合わせることでさらに高度な水処理が可能です。