タンクにおけるベントの大きさの決め方

 タンクは、液体や気体を貯蔵するための設備ですが、タンク内の圧力が過大または過小になると、タンクの破損や安全性の低下につながります。そこで、タンクにはベントと呼ばれる開口部が設けられており、タンク内の圧力を調整する役割を果たしています。

しかし、ベントの大きさはどのように決めるのでしょうか?ベントの大きさは、タンクの種類や内容物の性質、外部の環境などによって異なります。この記事では、タンクにおけるベントの大きさの決め方について、基本的な考え方と計算方法を紹介します。

ベントの必要性と種類

 タンクにベントが必要な理由は、主に以下の二つです。

  • タンク内の圧力が外部の圧力と均衡するようにすることで、タンクの安全性を確保する。

 

  • タンク内の内容物が蒸発や熱膨張などによって増減することに対応することで、タンクの効率性を高める。

 タンクに設けられるベントには、大きく分けて以下の三種類があります。

  • 自由ベント:タンク内の圧力が外部の圧力と常に等しいようにするベント。タンクの上部に開口部を設けるだけの簡単な構造で、タンク内の内容物が揮発性や可燃性のものでない場合に適している。

 

  • 制気ベント:タンク内の圧力が外部の圧力と一定の差を保つようにするベント。タンクの上部に弁を設けて、圧力が設定値を超えたり下回ったりしたときに開閉する構造で、タンク内の内容物が揮発性や可燃性のものである場合や、タンク内の圧力を一定に保ちたい場合に適している。

 

  • 安全弁:タンク内の圧力が許容値を超えたときに、過剰な圧力を逃がすためのベント。タンクの上部にバネや重りなどで圧力をかけた弁を設けて、圧力が作動圧力に達したときに開放する構造で、タンク内の内容物が高圧や高温のものである場合や、タンクの破損を防ぐために適している。

ベントの大きさの決め方

 ベントの大きさは、タンク内の圧力が設計条件を満たすようにするために決めます。タンク内の圧力は、以下の要因によって変化します。

  • タンクへの流入量と流出量の差:タンクへの流入量が流出量よりも大きいと、タンク内の圧力が上昇します。逆に、タンクへの流入量が流出量よりも小さいと、タンク内の圧力が下降します。

 

  • タンク内の内容物の温度変化:タンク内の内容物の温度が上昇すると、内容物の体積が膨張し、タンク内の圧力が上昇します。逆に、タンク内の内容物の温度が下降すると、内容物の体積が収縮し、タンク内の圧力が下降します。

 

  • タンク内の内容物の蒸発量:タンク内の内容物が揮発性のものである場合、一部が気体になってタンク内の圧力を上昇させます。蒸発量は、内容物の沸点や蒸気圧、タンク内の温度や圧力などによって変化します。

 

  • 外部の気圧変化:外部の気圧が上昇すると、タンク内の圧力も上昇します。逆に、外部の気圧が下降すると、タンク内の圧力も下降します。

 これらの要因によって生じるタンク内の圧力変化に対して、ベントが適切に開閉することで、タンク内の圧力を調整します。ベントの大きさは、タンク内の圧力が最大値または最小値になったときに、ベントからの流入量または流出量がタンクへの流入量または流出量と等しくなるようにすることで決めます。このとき、ベントからの流入量または流出量は、以下の式で求めることができます。

$$Q = CA\sqrt{2\rho\Delta P}$$ 

ここで、

  • Q:ベントからの流入量または流出量(kg/s)
  • C:流量係数(無次元)
  • A:ベントの断面積(m2
  • ρ:ベントから流入または流出する流体の密度(kg/m3
  • ΔP:ベントの開口圧力と外部の圧力との差(Pa

この式をベントの断面積Aについて解くと、以下のようになります。

$$A = \frac{Q}{C\sqrt{2\rho\Delta P}}$$

この式を用いて、ベントの大きさを計算するには、以下の手順を踏みます。

  1. タンクの種類や内容物の性質、外部の環境などに応じて、ベントの種類を選択する。
  2. タンクの設計条件や安全基準などに応じて、ベントの開口圧力と外部の圧力との差ΔPを決める。この値は、ベントの種類によって異なります。自由ベントの場合は、ΔP = 0となります。制気ベントの場合は、ΔP = タンク内の設定圧力 - 外部の圧力となります。安全弁の場合は、ΔP = タンク内の許容圧力 - 外部の圧力となります。
  3. タンク内の圧力が最大値または最小値になったときの、タンクへの流入量または流出量Qを決める。この値は、タンクの容量や内容物の性質、温度変化や蒸発量などによって変化します。タンク内の圧力が最大値になったときは、タンクへの流出量を、タンク内の圧力が最小値になったときは、タンクへの流入量を考えます。
  4. ベントから流入または流出する流体の密度ρを決める。この値は、流体の種類や温度や圧力などによって変化します。流体の密度は、物性表や状態方程式などで求めることができます。
  5. 流量係数Cを決める。この値は、ベントの形状や流体の流れ方などによって変化します。流量係数は、実験データや経験則などで求めることができます。
  6. 以上の値を用いて、ベントの断面積Aを計算する。この値が、ベントの大きさを決める指標となります。

まとめ

この記事では、タンクにおけるベントの大きさの決め方について、基本的な考え方と計算方法を紹介しました。ベントの大きさは、タンク内の圧力が設計条件を満たすようにするために決めます。ベントの大きさを決めるには、ベントの種類や開口圧力、タンクへの流入量や流出量、流体の密度や流量係数などを考慮する必要があります。ベントの大きさを適切に決めることで、タンクの安全性や効率性を高めることができます。

参考文献

以上、タンクにおけるベントの大きさの決め方についての記事でした。ご覧いただきありがとうございました。

タンクの天板はなぜ鏡型なのか?その秘密に迫る!

 今回は、タンクや圧力容器の天板がなぜ鏡型になっているのか、その理由について解説します。

タンクや圧力容器とは、液体や気体を貯蔵したり、加工したりするための設備です。食品や化学、医薬品など、さまざまな産業に欠かせないものです。タンクや圧力容器の天板は、一般的には鏡餅のような半球形状になっています。この形状を「鏡板」と呼びます。

株式会社コスモテック様より参考http://www.cosmotech-co.com

 

 では、なぜ鏡板はこのような形状になっているのでしょうか?その理由は、主に以下の二つです。

  • 圧力に強いから
  • 材料費や重量を節約できるから

圧力に強いから

 タンクや圧力容器は、内部に高圧や高温の液体や気体を入れることがあります。そのとき、天板には内圧による荷重がかかります。この荷重に耐えるためには、天板の形状が重要です。

もし天板が平板だとしたら、内圧によって天板がへこむか、破裂するかの危険があります。これは、内圧が天板の中心に集中して、応力が大きくなるからです。応力とは、単位面積あたりにかかる力のことです。応力が大きいと、材料が変形したり、破壊したりしやすくなります。

一方、天板が鏡板だとしたら、内圧によって天板がへこむことはありません。これは、内圧が天板の全体に分散して、応力が小さくなるからです。応力が小さいと、材料が変形したり、破壊したりしにくくなります。

つまり、鏡板は平板よりも圧力に強い形状なのです。実際に、風船を膨らませると、どんな形でも最終的には丸くなります。これは、内圧が均等に分散し、安定した形になるからです。金属も同じ原理で、丸い形が圧力に最適な形なのです。

材料費や重量を節約できるから

 鏡板は、圧力に強いだけでなく、材料費や重量を節約できるというメリットもあります。これは、鏡板の方が平板よりも設計板厚を薄くできるからです。

設計板厚とは、天板の厚さのことです。天板の厚さは、内圧や材料の強度によって決まります。内圧が高いほど、材料の強度が低いほど、天板の厚さは厚くなります。天板の厚さが厚くなると、材料費や重量が増えます。

しかし、鏡板は平板よりも圧力に強いので、同じ内圧や材料の強度でも、天板の厚さを薄くできます。天板の厚さが薄くなると、材料費や重量が減ります。材料費や重量が減ると、コストやエネルギーの節約につながります。

  鏡板の方が平板よりも、設計板厚は半分、材料費は約3分の1、重量は約3分の1になります。これは、かなりの節約効果があることがわかります。

まとめ

 タンクや圧力容器の天板が鏡型になっている理由は、圧力に強いから、材料費や重量を節約できるから、という二つの理由があります。鏡板は、平板よりも応力が小さく、設計板厚が薄くできるという特徴があります。鏡板は、圧力容器の設計において、最適な形状と言えるでしょう。

以上が、タンクや圧力容器の天板が鏡型になっている理由についての解説でした。この記事が、タンクや圧力容器に興味のある方にとって、有益な情報になれば幸いです。ありがとうございました。

建築物の梁とは?種類や寸法、役割をわかりやすく解説

 今回は、建築物に欠かせない部材の一つである梁について、詳しくご紹介したいと思います。

梁とは、柱の上に水平に渡される部材で、建物の荷重を支える役割を果たします。梁はその材料や形状、配置によってさまざまな種類があります。梁の種類や寸法、役割を理解することで、建築物の構造やデザインについても深く知ることができます。

この記事では、梁に関する以下の内容を解説します。

  • 梁の意味と重要性
  • 梁と柱の違い
  • 梁の種類(材料別)
  • 梁の寸法
  • 梁の種類(役割別)

それでは、早速見ていきましょう。

梁の意味と重要性

 梁という漢字は、河川の両端を結ぶ「渡し橋」という意味の由来を持ちます。建築物においては柱同士を水平に結ぶ構造躯体としての意味を持ちます。英語ではビーム(Beam)と呼ばれます。

梁は建築物において水平方向の力を支えるためにとても重要な役割を果たします。日本では、横揺れの発生する地震が頻繁に発生するため、よりその重要性が高いともいえます。梁は建築物の縦と横の2方向(90度で別れた二つの方向)を支えていますが、斜め方向の力による歪みを防ぐために、縦と横の梁の接合部に斜め45度の梁で補強することが一般的です。

梁を見せることで、建築物の表情や空間に奥行きや解放感を与えることができます。また、梁の形状や材質によって、建築物の雰囲気やデザインにも影響を与えます。梁は建築物の骨格ともいえる部分なので、梁の選択や配置は建築物の設計において重要な要素となります。

梁と柱の違い

 梁と柱はともに構造躯体です。構造躯体とは、建築物の力を主に支える部材のことを言います。梁と柱の大きな違いは垂直方向の力を支えるか、水平方向の力を支えるかどうかです。

梁は主に垂直方向の力を支えるために水平方向に伸びている部材で、柱は主に水平方向の力を支えるために垂直方向に伸びている部材です。垂直と水平という表現が入れ違いになっているため分かりずらいですが、梁は水平方向に伸びている構造躯体という認識で問題ありません。

梁と柱は互いに連携して建築物の荷重を支えます。梁は柱の上に乗っているので、梁の荷重は柱に伝わります。柱は梁の荷重を受けて、地面に伝えます。梁と柱の間には、接合部と呼ばれる部分があります。接合部は梁と柱の力の伝達をスムーズにするために、金物やボルトなどで固定されます。

梁の種類(材料別)

 梁はその材料や形状、配置によってさまざまな種類があります。梁の材料となるものは、木造、鉄骨、RC(鉄筋コンクリート)の3種類です。それぞれに用途が異なり、建築物の規模や設計により異なります。それぞれの材料の用途、メリットデメリットをご紹介します。

木造梁

 近年、木造は住宅や小規模店舗だけでなく、公共施設などの大規模な施設でもその利用がなされています。木造に用いられる梁は、ベイマツや杉・カラマツなどの針葉樹が用いられることが多いです。昔ながらの民家では、職人の技術によって大きな丸太の形そのままで梁として用いられている事例があります。

木造梁のメリットは、以下のとおりです。

  • 木は自然素材であるため、温かみや香りがあり、心地よい空間を作ることができる。
  • 木は炭素を吸収するため、環境にやさしい素材である。
  • 木は軽量であるため、地震に強い素材である。
  • 木は加工しやすいため、様々な形状やサイズの梁を作ることができる。

木造梁のデメリットは、以下のとおりです。

  • 木は火に弱いため、防火対策が必要である。

木造梁のデメリットを防ぐためには、以下のような対策が有効です。

  • 木材の種類や品質にこだわる。耐久性や耐火性の高い木材を選ぶことで、腐朽やシロアリ、火災のリスクを低減できる。
  • 木材の表面を塗装や防腐剤で保護する。木材の含水率を下げることで、腐朽やシロアリの発生を防ぐことができる。
  • 木材の接合部に金物やボルトを使用する。木材同士の接合部は弱点となりやすいので、金物やボルトで補強することで、耐震性や耐火性を向上させることができる。
  • 木材の断面積を大きくする。木材の断面積が大きいほど、強度や耐火性が高くなる。また、断面積が大きいと、木材の温かみや存在感が増すことで、空間の魅力を高めることができる。

鉄骨梁

 鉄骨梁とは、鉄や鋼などの金属でできた梁のことです。鉄骨梁は、木造梁に比べて強度や耐火性が高いため、高層建築や大規模な施設に多く用いられます。鉄骨梁はその形状によって、H形鋼、角形鋼、丸形鋼などに分類されます。

鉄骨梁のメリットは、以下のとおりです。

  • 鉄骨梁は強度が高いため、長いスパンや大きな荷重に耐えることができる。
  • 鉄骨梁は耐火性が高いため、火災の際にも崩壊しにくい。
  • 鉄骨梁は加工しやすいため、様々な形状やサイズの梁を作ることができる。
  • 鉄骨梁は軽量であるため、基礎工事や運搬の費用を抑えることができる。

鉄骨梁のデメリットは、以下のとおりです。

  • 鉄骨梁は錆びやすいため、防錆対策が必要である。
  • 鉄骨梁は熱伝導率が高いため、断熱対策が必要である。
  • 鉄骨梁は冷たく硬いため、木造梁に比べて温かみや柔らかさがない。
  • 鉄骨梁はコストが高いため、予算に余裕がないと採用しにくい。

鉄骨梁のデメリットを防ぐためには、以下のような対策が有効です。

  • 鉄骨梁の表面を塗装や防錆剤で保護する。鉄骨梁の錆びを防ぐことで、強度や耐火性を維持することができる。
  • 鉄骨梁の周りに断熱材を巻く。鉄骨梁の熱伝導率を下げることで、室内の温度を快適に保つことができる。
  • 鉄骨梁の見せ方に工夫する。鉄骨梁の冷たさや硬さを逆に利用して、空間にモダンさやスタイリッシュさを与えることができる。
  • 鉄骨梁の使用量を最適化する。鉄骨梁のコストを抑えるために、必要最低限の量やサイズの梁を選ぶことができる。

RC梁

 RC梁とは、鉄筋コンクリートでできた梁のことです。RC梁は、鉄筋とコンクリートの相乗効果によって、強度や耐火性が高いため、高層建築や大規模な施設に多く用いられます。RC梁はその断面形状によって、長方形、T形、L形などに分類されます。

RC梁のメリットは、以下のとおりです。

  • RC梁は強度が高いため、長いスパンや大きな荷重に耐えることができる。
  • RC梁は耐火性が高いため、火災の際にも崩壊しにくい。
  • RC梁は耐久性が高いため、腐朽やシロアリの心配がない。
  • RC梁は防音性が高いため、騒音の影響を受けにくい。

RC梁のデメリットは、以下のとおりです。

  • RC梁は重量が重いため、基礎工事や運搬の費用が高い。
  • RC梁は熱伝導率が高いため、断熱対策が必要である。
  • RC梁は冷たく硬いため、木造梁に比べて温かみや柔らかさがない。
  • RC梁はコストが高いため、予算に余裕がないと採用しにくい。

RC梁のデメリットを防ぐためには、以下のような対策が有効です。

  • RC梁の使用量を最適化する。RC梁のコストを抑えるために、必要最低限の量やサイズの梁を選ぶことができる。
  • RC梁の周りに断熱材を巻く。RC梁の熱伝導率を下げることで、室内の温度を快適に保つことができる。
  • RC梁の見せ方に工夫する。 HTML
  • RC梁の冷たさや硬さを逆に利用する。RC梁の冷たさや硬さは、空間に重厚さや堅牢さを与えることができる。また、RC梁の表面に色や模様を施すことで、デザイン性を高めることができる。

梁の寸法

 梁の寸法は、建築物の規模や用途、設計によって異なります。一般的に、梁の寸法は以下の要素によって決まります。

  • 梁の荷重:梁が支える荷重は、自重や上部構造の重量、人や家具などの活荷重、風や雪などの環境荷重などがあります。荷重が大きいほど、梁の断面積や鉄筋量を大きくする必要があります。
  • 梁のスパン:梁のスパンとは、梁が支持される柱の間隔のことです。スパンが長いほど、梁の断面積や鉄筋量を大きくする必要があります。
  • 梁の形状:梁の形状は、梁の断面形状や高さ、幅などを指します。梁の形状は、梁の強度や剛性、耐火性、空間効率などに影響します。梁の形状は、梁の材料や種類によっても異なります。
  • 梁の配置:梁の配置とは、梁が建築物の平面や立面においてどのように配置されるかを指します。梁の配置は、建築物の構造やデザイン、空間の使い方などに影響します。梁の配置は、建築物の形状や用途によっても異なります。

 梁の寸法を決める際には、上記の要素をバランスよく考慮する必要があります。梁の寸法が大きすぎると、建築物の重量やコストが増加し、空間の有効利用が阻害されます。梁の寸法が小さすぎると、建築物の強度や安全性が低下し、梁の破損や崩壊のリスクが高まります。

梁の種類(役割別)

 梁の種類は、梁が建築物の構造においてどのような役割を果たすかによっても分類できます。梁の役割には、以下のようなものがあります。

  • 主梁:主梁とは、建築物の荷重の大部分を支える梁のことです。主梁は、柱と柱の間に水平に渡される梁で、一般には太くて強い梁です。主梁は、建築物の構造の骨格を形成する重要な梁です。
  • 副梁:副梁とは、主梁と主梁の間に水平に渡される梁のことです。副梁は、主梁に荷重を伝える役割を果たします。副梁は、一般には細くて弱い梁です。副梁は、建築物の構造の補助的な梁です。
  • 床梁:床梁とは、床板や床下地を支える梁のことです。床梁は、主梁や副梁に直接または間接的に接続されます。床梁は、建築物の空間の区画や床面の形状に影響します。
  • 屋根梁:屋根梁とは、屋根板や屋根下地を支える梁のことです。屋根梁は、主梁や副梁に直接または間接的に接続されます。屋根梁は、建築物の外観や屋根の形状に影響します。
  • 桁梁:桁梁とは、橋梁や高架構造などにおいて、水平方向の荷重を支える梁のことです。桁梁は、橋脚や高架柱に直接または間接的に接続されます。桁梁は、橋梁や高架構造の強度や安全性に影響します。

以上が、梁についての詳しい説明です。梁は建築物の構造やデザインにおいて重要な役割を果たす部材です。梁の種類や寸法、役割を理解することで、建築物の構造やデザインについても深く知ることができます。

  1. 建築分野・複合構造梁 - J-STAGE [1]
  2. 梁 (建築) - Wikipedia [6]
  3. 第一回 梁って何?|リフォーム会社紹介サイト「ホームプロ」 [3]
  4. 実務で使う「梁」の用語(全35頁PDF版) - 建築学生が学ぶ構造力学 - BOOTH [4]
  5. 近世ならび近代初期の建築用語に関する基礎的調査研究 [5]

バルブの材質でEPDMが選ばれる理由とは?

 バルブとは、流体の流れを制御するための装置です。バルブには様々な種類がありますが、その中でも樹脂系のバルブは耐薬品性や耐熱性などの特性が求められる環境でよく使用されます。樹脂系のバルブには、塩化ビニル樹脂(PVC)やポリプロピレン樹脂(PP)などの材質がありますが、今回はその中でもエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)という材質に注目してみましょう。

EPDMとは?

 EPDMとは、エチレンとプロピレンというモノマーを主成分として、ジエンという第三成分を共重合させた合成ゴムの一種です。EPDMは、主鎖に二重結合を持たないため、耐熱性、耐老化性、耐オゾン性、耐候性に優れています。また、絶縁体としての電気的特性や、アルコールやエステルなどの極性の強い溶剤、硫酸やアルカリなどの無機酸に対する耐薬品性も高いです。一方で、耐油性には劣るため、油に触れる可能性がある場合は注意が必要です。EPDMの物性値は以下の表のようになります[1]。

物性
硬度(デュロA) 50~90
引張強さ(MPa 15.5~20.0
伸び(%) 300~700
使用温度(℃) -40~120
体積抵抗(Ω・cm, 25℃) 1012~1015

EPDMがバルブの材質として選ばれる理由

 EPDMがバルブの材質として選ばれる理由は、主に以下の3つです。

  • 耐熱性、耐候性に優れているため、屋外や高温の環境での使用に適している。
  • 耐薬品性に優れているため、水や薬液などの流体の流れを制御するのに適している。
  • 油展性、充填剤添加性が高いため、材料コストを抑えることができる。

 EPDMは、自動車や建築、電気などの分野で広く利用されていますが、バルブの材質としても優れた特性を発揮します。特に、水や薬液などの流体の流れを制御するバルブには、耐熱性や耐薬品性が重要な要素となります。EPDMは、これらの要求に応えることができる素材です。また、EPDMは、油展性や充填剤添加性が高いため、ゴム分を減らしても性能を維持することができます。これにより、材料コストを抑えることができるというメリットもあります。

まとめ

 今回は、バルブの材質でEPDMが選ばれる理由について紹介しました。EPDMは、耐熱性、耐候性、耐オゾン性、耐薬品性などの優れた特性を持つ合成ゴムであり、水や薬液などの流体の流れを制御するバルブに適しています。また、油展性や充填剤添加性が高いため、材料コストを抑えることができるというメリットもあります。EPDMは、樹脂系のバルブの材質として、オールマイティな素材と言えるでしょう。

参考文献

  • [1] 堤文雄 (2000)「エチレン-プロピレン共重合ゴム」奥寺通夫・粷谷信三・西敏夫・山口幸一『ゴムの事典』pp.179-186 朝倉書店
  • [2] エチレンプロピレンゴム(EPDM)とは?特性と使用用途について ... 
  • [3] 【EPDMとFKM】塩ビとPP配管のバルブのシール材質【使分け ... 
  • [4] バルブの材質(ゴム) | バルブ・操作機の開発・製造 自動弁の ... 

濾過塔の単層式と複層式の違いとは?水質浄化の仕組みやメリットを徹底解説

 濾過塔とは、水質浄化のために使用される装置の一種です。濾過塔には、単層式と複層式の2種類がありますが、その違いをご存知でしょうか?この記事では、濾過塔の単層式と複層式の違いについて、水質浄化の仕組みやメリットを徹底解説します。

濾過塔とは?

 濾過塔とは、水質浄化のために使用される装置の一種です。濾過塔は、水を流すときに、濾材と呼ばれる砂や石などの粒子によって、水中の不純物や有害物質を除去する仕組みになっています。濾過塔は、水道水や工業用水、下水処理などの分野で広く利用されています。

濾過塔の単層式と複層式の違いとは?

 濾過塔には、単層式と複層式の2種類があります。単層式と複層式の違いは、濾材の種類や厚さ、配置方法などにあります。以下に、それぞれの特徴を説明します。

単層式濾過塔

 単層式濾過塔とは、濾材として一種類の粒子のみを使用する濾過塔です。一般的には、砂が濾材として用いられます。単層式濾過塔は、構造がシンプルで、製造や管理が容易です。また、濾過速度が速く、水の透明度を高める効果があります。しかし、単層式濾過塔は、水中の有機物や微生物などの除去率が低く、濾過後の水質が不安定になることがあります。そのため、単層式濾過塔の前後に、他の浄化工程を設ける必要があります。

複層式濾過塔

 複層式濾過塔とは、濾材として複数種類の粒子を使用する濾過塔です。一般的には、砂と石炭やアンスラサイトなどの活性炭が濾材として用いられます。複層式濾過塔は、濾材の種類や厚さ、配置方法によって、水中の不純物や有害物質の除去率を高めることができます。また、濾過後の水質が安定し、消毒剤の使用量を減らすことができます。しかし、複層式濾過塔は、構造が複雑で、製造や管理が難しいです。また、濾過速度が遅く、濾過塔の大きさや数を増やす必要があります。

濾過塔の単層式と複層式のメリットとは?

 濾過塔の単層式と複層式のメリットは、以下のようにまとめることができます。

濾過塔の種類 メリット
単層式 構造がシンプルで、製造や管理が容易
濾過速度が速く、水の透明度を高める
複層式 水中の不純物や有害物質の除去率が高く、水質が安定
消毒剤の使用量を減らすことができる

まとめ

 この記事では、濾過塔の単層式と複層式の違いについて、水質浄化の仕組みやメリットを徹底解説しました。濾過塔の単層式と複層式は、それぞれに特徴や利点があります。水質浄化の目的や条件に応じて、最適な濾過塔の種類を選択することが重要です。

参考文献

  1. Baylis, J. R. (1935). The use of anthracite in rapid filters. Journal of the American Water Works Association, 27(10), 1331-1344.
  2. Shinohara, O., & Amitani, C. (1971). Experimental studies on variables effecting efficiency of double layered filtration. Journal of the Japan Society of Civil Engineers, 1971(194), 71-80. [1]
  3. Conley, L. F., & Hsiung, T. H. (1986). Design and application of dual-media filters. Journal of the American Water Works Association, 78(12), 34-41.
  4. Konno, E., & Konno, H. (1997). Effect of double layer filter for protection of clogging of rapid sand filter by slender type diatoms. Environmental Engineering Research, 34, 371-378. [2]
  5. 水処理技術研究所. (2008). 現行砂ろ過器の複層化による改善効果について. [3]
  6. 多層ろ過 | 浄水処理方法 | 【水】まる分かり情報サイト. (n.d.). Retrieved April 12, 2024, from [4]

水処理プラントの連動説明書の作り方

 水処理プラントの運転や保守には、連動説明書が欠かせません。連動説明書とは、水処理プラントの各機器がどのように連動して動作するかを図や表で示したものです。連動説明書があれば、水処理プラントの仕組みや操作方法を理解しやすくなります。しかし、連動説明書の作り方は、初心者にとっては難しいかもしれません。そこで、この記事では、水処理プラントの連動説明書の作り方をわかりやすく解説します。

連動説明書の作り方の流れ

 連動説明書の作り方は、大きく分けて以下の4つのステップになります。

  • 1. 水処理プラントの設備や機器の概要を把握する
  • 2. 水処理プラントの操作モードや連動条件を確認する
  • 3. 連動説明書のフォーマットを決める
  • 4. 連動説明書に必要な情報を記入する

それぞれのステップについて、詳しく見ていきましょう。

1. 水処理プラントの設備や機器の概要を把握する

 まず、連動説明書を作る前に、水処理プラントの設備や機器の概要を把握する必要があります。水処理プラントの設備や機器は、大きく以下の3つに分類できます。

  • 前処理設備:水源から取水した水を、砂や泥などの不純物を除去するための設備です。主な機器としては、取水ポンプ、砂捕集槽、格子、沈砂池などがあります。
  • 処理設備:前処理設備で除去できなかった有機物や微生物などを除去するための設備です。主な機器としては、曝気槽、沈殿槽、消毒槽などがあります。
  • 後処理設備:処理設備で生成された汚泥や廃液を処理するための設備です。主な機器としては、汚泥ポンプ、汚泥濃縮槽、汚泥脱水機、汚泥焼却炉などがあります。

 これらの設備や機器の配置や接続関係を、図面や配管図などで確認しておきましょう。また、各機器の仕様や機能も、取扱説明書やメーカーの資料などで確認しておきましょう。

2. 水処理プラントの操作モードや連動条件を確認する

 次に、水処理プラントの操作モードや連動条件を確認する必要があります。操作モードとは、水処理プラントの運転状態を表すもので、以下のようなものがあります。

  • 自動モード:水処理プラントの運転を、制御盤やコンピュータなどで自動的に行うモードです。水質や水量などのパラメータに応じて、各機器の運転・停止や連動を制御します。
  • 手動モード:水処理プラントの運転を、人間が操作盤やスイッチなどで手動的に行うモードです。試運転や点検などの際に使用します。
  • 常用モード:水処理プラントの運転を、通常の条件で行うモードです。自動モードや手動モードの切り替えが可能です。
  • 機側モード:水処理プラントの運転を、各機器の近くにある操作盤やスイッチなどで行うモードです。保守作業や故障対応などの際に使用します。
  • 連動モード:水処理プラントの運転を、複数の機器を連動させて行うモードです。たとえば、沈砂池の除塵機やベルトコンベヤなどを連動させて動かす場合などに使用します。

 連動条件とは、水処理プラントの各機器が連動して動作するための条件を表すもので、以下のようなものがあります。

  • 前提条件:連動を開始する前に満たすべき条件です。たとえば、連動する機器がすべて正常であることや、操作モードが連動モードであることなどがあります。

 

  • 開始条件:連動を開始するために必要な条件です。たとえば、連動する機器のうちの一つが運転されたことや、特定の信号が入力されたことなどがあります。

 

  • 停止条件:連動を停止するために必要な条件です。たとえば、連動する機器のうちの一つが停止されたことや、特定の信号が入力されたことなどがあります。

 これらの操作モードや連動条件を、制御仕様書や運転手順書などで確認しておきましょう。また、実際に水処理プラントの運転を見学したり、運転担当者に聞いたりすることも有効です。

3. 連動説明書のフォーマットを決める

 連動説明書のフォーマットを決めるには、以下の点に注意しましょう。

  • 連動説明書は、水処理プラントの運転担当者や保守担当者などが読むものなので、専門用語や略語を使っても構いませんが、定義や説明が必要な場合は、注釈や用語集などで補足してください。

 

  • 連動説明書は、水処理プラントの各機器の連動を図や表で示すことが多いですが、図や表だけではわかりにくい場合は、文章で補足してください。図や表には、機器の名称や番号、信号の種類や値、連動の開始・停止条件などを明記してください。

 

  • 連動説明書は、水処理プラントの操作モードや連動条件に応じて、複数のパターンがある場合があります。その場合は、パターンごとに連動説明書を作成してください。パターンの違いは、見出しや色分けなどで区別してください。

連動説明書のフォーマットの例を以下に示します。

水処理プラントの連動説明書

前処理設備の連動

パターン1:自動モードでの連動

前処理設備の連動は、以下のとおりです。

  • 取水ポンプ(P1)は、水源から水を取水するためのポンプです。制御盤からの信号(S1)によって運転・停止が制御されます。
  • 砂捕集槽(T1)は、取水した水から砂や泥などの不純物を除去するための槽です。砂捕集槽の水位(L1)によって、取水ポンプの運転・停止が連動されます。水位が高い場合は、取水ポンプが停止します。水位が低い場合は、取水ポンプが運転します。
  • 格子(G1)は、砂捕集槽から流れ出た水から、枝葉やゴミなどの大きな不純物を除去するための装置です。格子の除塵機(C1)は、格子に付着した不純物を掻き落とすための装置です。格子の除塵機は、制御盤からの信号(S2)によって運転・停止が制御されます。
  • ベルトコンベヤ(B1)は、格子の除塵機で掻き落とされた不純物を運搬するための装置です。ベルトコンベヤは、格子の除塵機の運転・停止に連動して運転・停止します。
  • 沈砂池(T2)は、格子から流れ出た水から、砂や泥などの小さな不純物を除去するための槽です。沈砂池の除塵機(C2)は、沈砂池に沈殿した不純物を掻き集めるための装置です。沈砂池の除塵機は、制御盤からの信号(S3)によって運転・停止が制御されます。
  • ベルトコンベヤ(B2)は、沈砂池の除塵機で掻き集められた不純物を運搬するための装置です。ベルトコンベヤは、沈砂池の除塵機の運転・停止に連動して運転・停止します。

前処理設備の連動の前提条件は以下のとおりです。

  • 制御盤の操作モードが自動モードであること。
  • 各機器が正常であること。

前処理設備の連動の開始条件は以下のとおりです。

  • 制御盤からの信号(S1)がONになること。

前処理設備の連動の停止条件は以下のとおりです。

  • 制御盤からの信号(S1)がOFFになること。

パターン2:手動モードでの連動

前処理設備の連動は、以下のとおりです。

  • 取水ポンプ(P1)は、水源から水を取水するためのポンプです。操作盤からの信号(S4)によって運転・停止が制御されます。
  • 砂捕集槽(T1)は、取水した水から砂や泥などの不純物を除去するための槽です。砂捕集槽の水位(L1)によって、取水ポンプの運転・停止が連動されます。水位が高い場合は、取水ポンプが停止します。水位が低い場合は、取水ポンプが運転します。
  • 格子(G1)は、砂捕集槽から流れ出た水から、枝葉やゴミなどの大きな不純物を除去するための装置です。格子の除塵機(C1)は、格子に付着した不純物を掻き落とすための装置です。格子の除塵機は、操作盤からの信号(S5)によって運転・停止が制御されます。
  • ベルトコンベヤ(B1)は、格子の除塵機で掻き落とされた不純物を運搬するための装置です。ベルトコンベヤは、格子の除塵機の運転・停止に連動して運転・停止します。
  • 沈砂池(T2)は、格子から流れ出た水から、砂や泥などの小さな不純物を除去するための槽です。沈砂池の除塵機(C2)は、沈砂池に沈殿した不純物を掻き集めるための装置です。沈砂池の除塵機は、操作盤からの信号(S6)によって運転・停止が制御されます。
  • ベルトコンベヤ(B2)は、沈砂池の除塵機で掻き集められた不純物を運搬するための装置です。ベルトコンベヤは、沈砂池の除塵機の運転・停止に連動して運転・停止します。

前処理設備の連動の前提条件は以下のとおりです。

  • 操作盤の操作モードが手動モードであること。
  • 各機器が正常であること。

前処理設備の連動の開始条件は以下のとおりです。

  • 操作盤からの信号(S4)、(S5)、(S6)のいずれかがONになること。

前処理設備の連動の停止条件は以下のとおりです。

  • 操作盤からの信号(S4)、(S5)、(S6)のいずれかがOFFになること。

以上が、前処理設備の連動説明書の作り方の流れです。この記事が参考になれば幸いです。

濾過塔におけるメリーゴーランド方式とは?水処理の最新技術を解説します

 水処理において、不純物を除去するために濾過塔という装置が使われますが、その中でもメリーゴーランド方式という特殊な方式があります。この方式は、複数の濾過塔を連結し、弁の制御によって各濾過塔の役割を切り替えることで、処理を停止することなく、ろ材の効率的な利用やメンテナンスが可能になるというものです。この記事では、濾過塔におけるメリーゴーランド方式の仕組みやメリット、実際に採用している事例などを紹介します。

濾過塔とは?

 濾過塔とは、水や排水中の不純物をろ材によって除去する装置です。ろ材とは、砂や炭などの粒状の物質で、水を通すと不純物を吸着したり、ろ過したりする性質を持ちます。濾過塔は、水を上から下に流す下向き流れ方式と、水を下から上に流す上向き流れ方式があります。下向き流れ方式は、不純物がろ材の表面に付着するため、ろ材の深さが浅くても高い除去効果が得られます。上向き流れ方式は、不純物がろ材の隙間に詰まるため、ろ材の深さが深くなければなりませんが、ろ材の表面が汚れにくく、洗浄が容易です。

メリーゴーランド方式とは?

 メリーゴーランド方式とは、複数の濾過塔を連結し、弁の制御によって各濾過塔の役割を切り替える方式です。例えば、ある濾過塔がろ過処理を行っている間に、別の濾過塔がろ材の洗浄や再生を行うことができます。このようにすることで、処理を停止することなく、ろ材の効率的な利用やメンテナンスが可能になります。メリーゴーランド方式は、下向き流れ方式と上向き流れ方式の両方に適用できます。

メリーゴーランド方式のメリット

メリーゴーランド方式には、以下のようなメリットがあります。

  • 処理を停止することなく、ろ材の洗浄や再生ができるため、水質の安定性や処理能力が向上します。
  • ろ材の使用量や洗浄水の消費量が減るため、コストや環境負荷が低減します。
  • 弁の制御によって濾過塔の役割を切り替えるため、機械的な移動や回転が不要で、故障や騒音が減ります。
  • 濾過塔の数や配置を自由に設計できるため、空間効率が高くなります。

メリーゴーランド方式の事例

 メリーゴーランド方式は、水処理の様々な分野で採用されています。以下に、いくつかの事例を紹介します。

「メリーゴーランド式高速ろ過装置」

 クボタ環境エンジニアリング株式会社は、メリーゴーランド方式を用いた「メリーゴーランド式高速ろ過装置」を開発し、水道水や工業用水の処理に応用しています。この装置は、下向き流れ方式の濾過塔を4台連結し、弁の制御によって各濾過塔の役割を切り替えます。ろ材には、砂と炭を混合したものを使用し、高い除去効果と再生効率を実現しています。この装置の特徴は、以下のようにまとめられます。

  • 処理能力が高く、1台あたりの処理水量は最大で毎時200立方メートルです。
  • ろ材の使用量が少なく、1台あたりのろ材量は約1.5トンです。
  • 洗浄水の消費量が少なく、1回の洗浄に必要な水量は約0.5立方メートルです。
  • 空間効率が高く、1台あたりの占有面積は約3.5平方メートルです。

東京大学の「新規なリン吸着材を活用した排水高度処理システムの構築」

 東京大学は、メリーゴーランド方式を用いた「新規なリン吸着材を活用した排水高度処理システムの構築」を行っています。このシステムは、上向き流れ方式の濾過塔を2台連結し、弁の制御によって各濾過塔の役割を切り替えます。ろ材には、リンを効率的に吸着する新規な材料を使用し、リンの回収と再利用を目指しています。このシステムの特徴は、以下のようにまとめられます。

  • リンの除去率が高く、平均で99%以上です。
  • リンの回収率が高く、平均で90%以上です。
  • リンの再利用率が高く、回収したリンを肥料や燃料などに利用できます。
  • ろ材の寿命が長く、1回の再生で約100回のろ過処理ができます。

まとめ

 この記事では、濾過塔におけるメリーゴーランド方式の仕組みやメリット、実際に採用している事例などを紹介しました。メリーゴーランド方式は、水処理において、処理を停止することなく、ろ材の効率的な利用やメンテナンスが可能になるという画期的な方式です。水処理の最新技術として、今後も注目されるでしょう。