ワッシャーの役割とは?ワッシャーの種類や選び方

 ワッシャーとは、ボルトやナットと一緒に使われる、金属やプラスチックなどでできた薄い円盤状の部品です。ワッシャーは、一見するとさほど重要ではないように見えますが、実はさまざまな役割を果たしています。この記事では、ワッシャーの役割と種類、選び方について解説します。

 

ワッシャーの役割とは

ワッシャーには、以下のような役割があります。

  • 締結力の分散:ワッシャーは、ボルトやナットの締め付けによって発生する締結力を、ワッシャーの面積に分散させることで、締結部の材料にかかる応力を低減します。これにより、締結部の材料が変形したり、破損したりするのを防ぎます。
  • 摩擦力の増加:ワッシャーは、ボルトやナットと締結部の材料との間に挟まれることで、摩擦力を増加させます。これにより、ボルトやナットが緩んだり、回転したりするのを防ぎます。
  • 隙間の調整:ワッシャーは、ボルトやナットと締結部の材料との間に隙間がある場合に、その隙間を埋めることで、締結力を均一に伝えることができます。これにより、締結部の材料に偏った応力がかかるのを防ぎます。
  • 電気的な絶縁:ワッシャーは、ボルトやナットと締結部の材料との間に電気的な絶縁を提供することができます。これにより、ボルトやナットが電気的な回路の一部になったり、静電気や電磁波による干渉を受けたりするのを防ぎます。

ワッシャーの役割は、ワッシャーの形状や材質によっても異なります。次の項では、ワッシャーの種類について紹介します。

ワッシャーの種類と特徴

ワッシャーには、以下のような種類があります。

  • 平ワッシャー:平ワッシャーは、最も一般的なワッシャーで、平らな円盤状の形をしています。平ワッシャーは、締結力の分散や隙間の調整に適しています。平ワッシャーには、大きさや厚さによって、小形ワッシャー、中形ワッシャー、大形ワッシャーなどの種類があります。
  • ばねワッシャー:ばねワッシャーは、平ワッシャーに比べて厚みがあり、表面が波打っているワッシャーです。ばねワッシャーは、締め付けるとばねのように弾力が発生することで、摩擦力の増加や緩みの防止に適しています。ばねワッシャーには、形状によって、皿ばねワッシャー、ウェーブワッシャー、スプリングロックワッシャーなどの種類があります。
  • 歯付きワッシャー:歯付きワッシャーは、平ワッシャーの周辺に歯が付いているワッシャーです。歯付きワッシャーは、歯がボルトやナットと締結部の材料に食い込むことで、摩擦力の増加や緩みの防止に適しています。歯付きワッシャーには、歯の形状や向きによって、外歯ワッシャー、内歯ワッシャー、スターロックワッシャーなどの種類があります。
  • ナイロンワッシャー:ナイロンワッシャーは、ナイロンなどのプラスチックでできたワッシャーです。ナイロンワッシャーは、電気的な絶縁や防水、防錆、防音などの効果があります。ナイロンワッシャーには、形状によって、平ナイロンワッシャー、ナイロン補強リング、ナイロン止め輪などの種類があります。

ワッシャーの種類は、これら以外にも多数あります。ワッシャーの種類によって、ワッシャーの性能や用途が異なります。次の項では、ワッシャーの選び方について紹介します。

ワッシャーの選び方とは

ワッシャーの選び方は、以下のポイントに注意してください。

  • ワッシャーの内径は、使用するボルトやナットの径に合わせて選びます。内径が大きすぎると、ワッシャーがずれたり、締結力が不足したりします。内径が小さすぎると、ワッシャーがボルトやナットにかみ合わなかったり、破損したりします。
  • ワッシャーの外径は、締結部の材料の厚さや面積に合わせて選びます。外径が小さすぎると、ワッシャーが締結部の材料に食い込んだり、締結力が分散されなかったりします。外径が大きすぎると、ワッシャーが締結部の材料からはみ出したり、隣接する部品と干渉したりします。
  • ワッシャーの厚さは、締結部の隙間や締結力の要求に合わせて選びます。厚さが薄すぎると、ワッシャーが変形したり、締結力が不足したりします。厚さが厚すぎると、ワッシャーが締結部の隙間を埋めきれなかったり、締結力が過剰になったりします。
  • ワッシャーの材質は、締結部の材料や使用環境に合わせて選びます。材質が硬すぎると、ワッシャーが締結部の材料に傷をつけたり、締結力が不均一になったりします。材質が柔らかすぎると、ワッシャーが変形したり、締結力が不足したりします。また、材質によっては、熱や湿気、腐食などの影響を受けやすかったり、電気的な特性が異なったりします。

ワッシャーの使い方は、以下の手順に従ってください。

  1. ボルトにワッシャーを通します。ワッシャーの種類によっては、ボルトの頭に近い方に特定の面を向ける必要があります。例えば、歯付きワッシャーの場合、歯のある面をボルトの頭に向けます。
  2. ボルトを締結部の穴に差し込みます。ワッシャーが締結部の材料と密着するように調整します。
  3. ナットにワッシャーを通します。ワッシャーの種類によっては、ナットに近い方に特定の面を向ける必要があります。例えば、歯付きワッシャーの場合、歯のある面をナットに向けます。
  4. ナットをボルトに回して締め付けます。ワッシャーが締結部の材料と密着するように調整します。
  5. ボルトとナットを適切な工具で締め付けます。締め付ける力は、ボルトやナットの規格や材質、締結部の材料や用途に応じて決めます。締め付ける力が弱すぎると、ボルトやナットが緩んだり、締結部が不安定になったりします。締め付ける力が強すぎると、ボルトやナットが破損したり、締結部が変形したりします。

以上が、ワッシャーの選び方と使い方についての解説です。ワッシャーは、ボルトやナットと一緒に使うことで、締結部の性能や安全性を向上させることができます。ワッシャーの種類や規格は多数ありますので、用途や条件に合わせて適切なものを選びましょう。ワッシャーの購入や詳細な情報については、以下のサイトを参考にしてください。

参考文献

  • 知らなきゃ恥ずかしい?ワッシャーの役割と選び方! | DIYの1から10まで[^1^][1]
  • 平ワッシャーのJIS(ISO)規格別サイズ早見表 | alumania INFORMATION[^2^][2]