バルブとは、流体(液体や気体など)を通したり、止めたり、制御したりするための機器です。バルブには、様々な種類があり、それぞれに特徴や使用目的があります。この記事では、代表的なバルブの種類と使用目的について、初心者にもわかりやすく解説します。
バルブの種類
バルブの種類は、大きく分けて以下の6つに分類できます。
- ゲートバルブ
- グローブバルブ
- チャッキバルブ
- ボールバルブ
- バタフライバルブ
- Λポートバルブ
それぞれの特徴と使用目的を見ていきましょう。
ゲートバルブ
ゲートバルブは、弁体が流路を仕切って開閉する構造のもので、仕切弁とも呼ばれます。流体の流れに影響を与えないため、開閉用のバルブとして使われます[1]。
特徴:
- 流体をしっかりと止める性能が高い。
- 流路がまっすぐで圧力損失が小さい。
- 大きさや材料によっては重くて場所を取る。
- 開閉に時間がかかる。
- 中間開度では使用できない。
使用目的:
- 流体を完全に開放または遮断する場合。
- 流量調節や頻繁な開閉が不要な場合。
- 高温・高圧・腐食性のある流体を扱う場合。
グローブバルブ
グローブバルブは、弁箱が球状で、入口と出口の中心線が一直線上にあり、流体の流れがS字状となるもので、玉形弁とも呼ばれます。流量調節や締め切り性能に優れています[2]。
特徴:
- 流量調節に適している。
- 流体をしっかりと止める性能が高い。
- 急な開閉ができない。
- 流路が曲がっているため圧力損失が大きい。
- 大きさや材料によっては重くて場所を取る。
使用目的:
- 流量調節や締め切りが必要な場合。
- 高温・高圧・腐食性のある流体を扱う場合。
チャッキバルブ
チャッキバルブは、流体の流れを常に一定方向に保ち、逆流を防止する機能を持つバルブです。弁体が重力や流体圧力で自動的に開閉するため、手動操作は不要です[3]。
特徴:
- 逆流を防止できる。
- 手動操作が不要でメンテナンスが容易。
- 開閉時に衝撃音が発生することがある。
- 流量調節には不向き。
使用目的:
- 逆流が発生しやすい場所や装置に設置する場合。
- ポンプやコンプレッサーなどの保護用として使用する場合。
ボールバルブ
ボールバルブは、孔の開いた球体(ボール)が弁体となっており、ボールを90度回転させて開閉するバルブです。操作性が良く、広範囲の用途に用いられます[4]。
特徴:
- 急な開閉ができる。
- 流路がまっすぐで圧力損失が小さい。
- コンパクトで場所を取らない。
- 流量調節には不向き。
- 中間開度では使用できない。
- 高温や腐食性のある流体には不向き。
使用目的:
- 流体を完全に開放または遮断する場合。
- 頻繁な開閉が必要な場合。
- 低温・低圧・無腐食性の流体を扱う場合。
バタフライバルブ
バタフライバルブは、円盤状の弁体(バタフライ)を90度回転させて開閉するバルブです。コンパクトさとシンプルな構造を併せ持ち、配管作業が容易なバルブです[5]。
特徴:
- コンパクトで軽量で場所を取らない。
- 中間開度での流量調節に適している。
- 高温・高圧・腐食性のある流体には不向き。
- 締め切り性能が低いことがある。
使用目的:
- 流量調節や締め切りが必要な場合。
- 低温・低圧・無腐食性の流体を扱う場合。
Λポートバルブ
Λポートバルブは、ボールバルブの一種で、弁体にΛ字型の孔が開いているものです。弁体を回転させることで、流体の流れを切り替えたり、混合したり、分離したりすることができます。
特徴:
- 流体の切り替えや混合・分離に適している。
- コンパクトで操作性が良い。
- 高温・高圧・腐食性のある流体にも対応できる。
- 締め切り性能が低いことがある。
使用目的:
- 流体の切り替えや混合・分離が必要な場合。
- 複数の流体を同時に扱う場合。
まとめ
バルブは、流体を通したり、止めたり、制御したりするための機器です。バルブには、ゲートバルブやグローブバルブなど様々な種類があり、それぞれに特徴や使用目的があります。この記事では、代表的なバルブの種類と使用目的について紹介しました。バルブを選ぶ際には、扱う流体や使用環境に応じて最適なものを選ぶことが重要です。
参考文献
- [バルブの種類と構造|バルブの総合メーカー 株式会社キッツ]
- [一般社団法人日本バルブ工業会]
- [どのような構造をしているの? | バルブの基礎知識 | 総合 ...]
- [バルブの種類や役割とは? 実は、工場設備に欠かせない大切な ...]
- [バタフライバルブの種類と特徴 | バルブの基礎知識 | 総合 ...]