電磁流量計とは、液体の流量を測定する装置の一種です。電磁流量計は、ファラデーの電磁誘導の法則を利用して、液体が磁場の中を流れるときに発生する起電力(電圧)を測定することで、流量を求めます。
この記事では、電磁流量計の原理や特徴、メリットやデメリットなどについて、わかりやすく解説します。
電磁流量計の原理
電磁流量計の原理は、ファラデーの電磁誘導の法則に基づいています。ファラデーの電磁誘導の法則とは、導体が磁場に垂直に動くときに、導体に起電力(電圧)が発生するという法則です。
電磁流量計では、通水管内に磁界を発生させる電磁コイルと、管壁に設置された起電力を捉える電極があります。導電性の液体が通水管内を流れるときには、液体が導体となって、磁界に垂直に動きます。そのため、液体に起電力が発生し、その大きさは以下の式で表されます。
ここで、は起電力(V)、は磁束密度(T)、は通水管内径(m)、は平均流速(m/s)です。
この式からわかるように、起電力は平均流速に比例します。したがって、起電力を測定すれば、平均流速がわかります。また、平均流速と通水管内径から、以下の式で流量(m3/s)を求めることができます。
以上が、電磁流量計の原理です。次に、電磁流量計の特徴について見ていきましょう。
電磁流量計の特徴
電磁流量計は、他の流量計と比較して、以下のような特徴があります。
メリット
- 液体の温度・圧力・密度・粘度の影響を受けません。液体の導電率が一定であれば、流量を正確に測定できます。
- 混入物(固体・気泡)を含む液体の検出が可能です。混入物が導電性でなければ、起電力に影響しません。
- 圧力損失がありません。通水管内部に障害物がないため、液体の流れを妨げません。
- 可動部がありません。摩耗や故障の心配がなく、メンテナンス性が良いです。
デメリット
- 電極付着やライニング付着による誤動作が起こりやすいです。電極やライニングに汚れや腐食が発生すると、起電力の測定に影響します。
- スラリーノイズの検出があります。スラリー(固体と液体の混合物)を測定するときには、固体粒子が磁界によって偏向し、起電力にノイズを発生させます。
- 気体や導電率のない液体は検出できません。気体は導電性がなく、導電率のない液体は起電力を発生しません。
- 直管部が必要です。通水管の前後には、十分な直管部が必要です。直管部が不足すると、流れが乱れて起電力の測定に影響します。
まとめ
この記事では、電磁流量計の原理や特徴、メリットやデメリットなどについて紹介しました。電磁流量計は、導電性の液体の流量を正確に測定できる優れた装置ですが、使用する液体や環境によっては注意が必要です。
電磁流量計を選定するときには、以下の点に注意してください。
- 液体の導電率は十分か?
- 通水管内径は適切か?
- 通水管前後の直管部は十分か?
- 電極やライニングの材質は適切か?
- 混入物やスラリーの影響はないか?
以上で、電磁流量計についてのブログ記事を終わります。この記事がお役に立てば幸いです。