水質のORPとは何か?わかりやすく解説

 水質のORPという言葉を聞いたことはありますか?ORPとはOxidation-Reduction Potentialの略で、酸化還元電位と訳されます。水質のORPは、水中の酸化還元状態を表す数値です。この記事では、水質のORPとは何か、どのように測定するのか、どのように利用するのかについてわかりやすく解説します。

水質のORPとは何か

 水質のORPとは、水中の酸化還元状態を表す数値です。酸化とは、物質が電子を失うことで、還元とは、物質が電子を得ることです。水中には、酸化体と還元体と呼ばれる物質が共存しており、お互いに電子をやり取りしています。この電子のやり取りを酸化還元反応と言います。水質のORPは、この酸化還元反応の平衡状態によって決まります。酸化還元反応の平衡状態は、水中の酸化体と還元体の活量の比によって表されます。活量とは、物質の濃度や温度などによって変化する、物質の反応に対する有効度のことです。水質のORPは、水中の酸化体と還元体の活量の比に対して、電気的なエネルギーとして表したものです。単位はミリボルト(mV)です。

 水質のORPは、水中の酸化力や還元力の強さを示します。酸化力とは、物質を酸化させる能力のことで、還元力とは、物質を還元させる能力のことです。水質のORPが高いと、水中の酸化力が強いことを意味します。逆に、水質のORPが低いと、水中の還元力が強いことを意味します。水質のORPがプラスの値を示すときは、水中の酸化状態を表し、水質のORPがマイナスの値を示すときは、水中の還元状態を表します。

 水質のORPは、水の性質の一つとして測定されます。水質のORPは、水のpHや溶存酸素濃度などと関係しています。一般に、水のpHが高いと、水質のORPは低くなります。水のpHが低いと、水質のORPは高くなります。水の溶存酸素濃度が高いと、水質のORPは高くなります。水の溶存酸素濃度が低いと、水質のORPは低くなります。水質のORPは、水の酸化還元状態を表すだけでなく、水の品質や生態系にも影響を与えます。

水質のORPの測定方法

 水質のORPの測定方法は、電位差計と呼ばれる器具を用いて行います。電位差計は、pH計のmV測定機能を持つものです。電位差計には、白金電極と比較電極という二つの電極があります。白金電極は、水中の酸化還元反応に関与する電極で、比較電極は、水中の酸化還元反応に関与しない電極です。比較電極には、銀・塩化銀電極や標準水素電極などがあります。測定しようとする水溶液に白金電極と比較電極を挿入し、電位差計で両電極間の電位差を読み取ります。この電位差が水質のORPとなります。

水質のORPの測定には、注意点がいくつかあります。まず、水質のORPは、温度やpHなどに影響されるため、測定時にはこれらの条件を記録する必要があります。また、水質のORPは、時間や空気との接触によって変化するため、測定はできるだけ早く行う必要があります。さらに、水質のORPは、用いた比較電極によって異なる値を示すため、測定時には比較電極の種類を明記する必要があります。もし、比較電極の種類が異なる場合は、指示値を変換することによって正しい水質のORPの値を得ることができます。

水質のORPの利用方法

 水質のORPの利用方法は、主に二つあります。一つは、水質の状態や品質を評価することです。もう一つは、水質の改善や処理を行うことです。

水質のORPを測定することによって、水質の状態や品質を評価することができます。例えば、河川や湖沼などの自然水域では、水質のORPは、水の酸素状態や生態系の状態を反映します。水質のORPが高いと、水中の溶存酸素濃度が高く、水の酸化性が強いことを意味します。水質のORPは、水の汚染度や有機物の分解度などを判断する指標としても利用できます。水質のORPが低くなると、水中に有機物や硫化物などの還元性物質が増えることを示します。これらの物質は、水の悪臭や色の変化などの原因となります。水質のORPは、水の浄化能力や自己浄化能力も反映します。水質のORPが高いと、水中に酸素やオゾンなどの酸化性物質が豊富で、水の浄化能力が高いことを示します。これらの物質は、水中の有害物質や病原菌などを酸化して除去する作用があります。

水質のORPを調整することによって、水質の改善や処理を行うことができます。例えば、水道水やプールの水などの飲用水や衛生水では、水質のORPを高めることで、水の殺菌や消毒を行うことができます。水質のORPを高める方法としては、水に酸素やオゾンなどの酸化剤を添加することや、水に電気を流すことなどがあります。逆に、工業用水や農業用水などの利用水では、水質のORPを低めることで、水の軟化や防錆を行うことができます。水質のORPを低める方法としては、水に還元剤やバッファー剤を添加することや、水に磁気をかけることなどがあります。

 

まとめ

 水質のORPとは、水中の酸化還元状態を表す数値です。水質のORPは、水の性質の一つとして測定されます。水質のORPは、水のpHや溶存酸素濃度などと関係しています。水質のORPは、水の酸化力や還元力の強さを示します。水質のORPは、水の品質や生態系にも影響を与えます。水質のORPを測定することによって、水質の状態や品質を評価することができます。水質のORPを調整することによって、水質の改善や処理を行うことができます。水質のORPは、水の管理や利用において重要な役割を果たします。

参考文献:
水質のORPとは | HORIBA
酸化還元電位とは | 京都機械工具
酸化還元電位とは何ですか? | テクノアクア